2017年度理事長所信

2017年度スローガン

はじめに

~為せば成る~

思案ばかりをして、成果を上げようとする行動を起こさなければ
決して成果を得ることはできない

「為せば成る」の「為す」は、いわば目標達成のために自らの意思をもって行動を起こすということであり、その結果、自身の成長が得られる、所属する組織の発展に寄与するといったことに繋がるのです。これは我々花巻青年会議所が2010年代運動指針において定義する社会のために自ら何ができるか考え行動できる市民、いわゆる「志民※1」に相通じるものです。自らの意思をもってまちのため、人のために行動する人財が増えるほど、「明るい豊かな社会の実現」に向けて一歩一歩近づいていくのです。一方で「為せば成る」の見解を変えてみると、やってみれば案外できるもの、やれば成果が上がるのになぜやらないかといった見方もできます。花巻を愛する我々こそができる「為す」は、会員一人ひとりの成長に繋がり、まちづくりやひとづくりの事業を通して、市民へと伝播し、市民の意識変革を生み出していきます。「為す」ことが未来への礎になっていくのです。問題や課題に屈せず、多くの事業に取り組みながら進化を続けるこの尊い組織を、未来に向けて紡いでいかなくてはならないのです。

あたらしい経験と価値創造

1957年7月19日、花巻青年会議所は、全国で128番目の青年会議所として設立され、「明るい豊かな社会の実現」に向けて、多くの先輩方がまちづくりやひとづくりにおいて様々な運動に取り組んできました。市民の意識変革に取り組んできた実績は、我々後輩にとって誇りであると共に、多くの学びを得られる尊いものであります。そして本年度、我々は創立60周年を迎えます。この記念すべき年に組織として改めてできること、それはこれまでの歴史と伝統への感謝、そして未来へ向けたチャレンジです。60年に渡る歴史から学び得た知識を活かしながら、あたらしい経験を導く事業を生み出し、様々な価値を創造する、それこそが我々が青年会議所として未来に向けて存在する意義に繋がっていくのです。人財で溢れる花巻青年会議所が、市民と共に運動に取り組み、その意識を変革させ、まちのため、ひとのために自ら行動を起こす「志民」へと成長を遂げた人々で地域が溢れ返ることで、「明るい豊かな社会の実現」に繋がっていくのです。この記念すべき1年、何事にも積極的に挑戦し未来への礎となるよう取り組んでいきます。

創立60周年を迎えるにあたり

終戦から12年。戦後の傷跡が癒えぬ時代、祖国復興の夢を描き青年としての溢れ出る情熱をもって設立された花巻青年会議所は、まちづくりやひとづくりを様々な形で実践した諸先輩方のご苦労とご尽力によって築かれてきました。我々は、この尊くすばらしい学び舎を、この恵まれた環境を、60年に渡る歴史を、未来に向けて紡いでいかなくてはなりません。

創立50周年時は、運動におけるキーワードに「変化」を据え、変わらぬべきは「社会への奉仕」「個人の修練」「世界との友情」のJC三信条であるとし、変わるべきは我々自身の意識とし運動を行いました。また創立55周年時は、2010年代運動指針のキーワードである「絆」と「結い」をテーマに、これまで以上に地域に必要とされる団体として新たな一歩を踏み出し、青少年育成に係る関係諸団体との連携に取り組みました。そして60周年。まずは花巻青年会議所がこれまでに歩んだ歴史に敬意を表し、更なる飛躍の想いを込め記念誌を発刊すると共に、諸先輩方と我々に関係する皆様をお招きし、創立60周年を記念する式典を挙行します。また、我々は花巻を代表する様々な事業に携わることやその時々の社会の情勢から、何が必要とされているかを検討し、まちづくりやひとづくりに取り組んできました。今、我々が市民から求められるものとは、継続している事業を発展させながら実施することと、更なるあたらしい経験を参加者と共有し、そこから導き出される新たな価値を創出していくことです。60年に渡る運営から培われた事業基盤に、あたらしい経験と価値創造を盛り込み、花巻青年会議所として最大限の発信を図るべく、創立60周年を記念する事業を行います。

先輩方から引き継いできた伝統と基盤を活かし、新たな挑戦から導き出される価値を創造することが、未来に向けた組織の礎となり「明るい豊かな社会の実現」に近づいていくのです。

青少年育成事業と災害対策について

花巻市が平成26年に策定した「花巻市まちづくり総合計画」において、青少年の教育と防災が重点推進テーマに設定されています。青少年は未来の社会を担う存在であり、その育成は特にも重要な運動項目です。家庭や学校の教育に加え、我々と共に社会を学び、成長を遂げることで明るい未来への懸け橋となるのです。加えて、その成長過程において、様々な災害や事故に備える防災の意識を高めることによって、青少年自身を守り、更には周りの人々を守ることに繋がり、安心、安全な地域が構築され、明るい未来が拓けていくのです。

地元大学生を中心としたボランティア団体「花巻てらこや」は、「全国てらこやネットワーク」の協力の下、2015年度に組織化に向けて始動し、2016年度に本格的に活動を開始しました。子ども達との交流や学習支援といった経験を得ることで、社会性や自立性において大きくレベルアップを遂げ、大学生における社会教育のツールとして今後の発展を期待できる団体であると考えます。また、これまで支援を続けてきた中高生を中心とした「はなまきユナイテッドチルドレン(以下はなまきUC)」も同様に、社会教育を学べる組織として活動を継続しています。「花巻てらこや」、「はなまきUC」共に我々の青少年育成事業に参加し、社会性において多くの期待と可能性を感じられる事業を実施してきました。本年度は、これまで継続してきた事業を振り返りながら、「花巻てらこや」「はなまきUC」の支援を引き続き行うと共に、新たな社会啓発を盛り込んだ運動を実施します。これまでに実施した事業の経験を踏まえながら、新しい試みを加え、青少年の育成に取り組みます。

東日本大震災の発災以降、我々は1年毎にニーズ等を勘案しながら様々な取り組みを行ってきました。本年度も2012年度に制定した「東日本大震災復興活動指針」を基に内容の検討を行い必要に応じて実施していきます。また、ここ数年日本各地で大きな災害が頻繁に発生し、その都度多くの苦しみや悲しみが我々を襲います。そして地震、津波、異常気象はいつ起こるか予測がつかず、様々な災害に対し、対応や対策を備えることが重要です。本年度は青少年育成事業に防災の内容を盛り込み啓発を行うと共に、災害発生に伴い被災地域に対し必要に応じた支援を行います。

組織化された「花巻てらこや」、支援を続けてきた「はなまきUC」、我々とこの2つの組織の協働による青少年の社会的啓発を行うこと、そして様々な災害に対しての備えを併せて啓発することが、未来を担う子ども達の成長を促進し、未来へ向けた礎となり「明るい豊かな社会の実現」に近づいていくのです。

わんこそば全日本大会とイーハトーブフォーラム花火大会について

人口の減少が課題とされるなか、まちの賑わいを創出するためには、国内外から多くの来訪者を導き交流人口の増加を推進していかなくてはなりません。花巻独自の魅力や資源が対外的に広がり、その価値が認識されてこそ、交流人口は増加し地域の活性化に繋がっていくのです。

我々が企画運営に携わる「わんこそば全日本大会」は本年度で59回目を迎えます。60周年を迎える我々花巻青年会議所と同様の歴史があり、食文化としての発信や来場者へのおもてなしに加え、記録に挑戦する競技性を備えた花巻を代表する大会の一つです。我々はこの歴史と伝統ある大会において、様々な試みを行いながら発信を続けてきました。参加者は全国各地に及び、子どもからお年寄りまで楽しめる大会として発展してきました。青年会議所としての担いも定着しつつある今、我々に求められるのはこの大会の将来的な更なる発展に取り組むことです。志民の志民による市民のための大会、いわゆる自立した志民が、わんこそばの歴史やおもてなし文化としての知識を備えながら花巻を渦巻く大会として発展させていくことがまちづくりやひとづくりの観点から効果的であると考えます。わんこそば大会に携わるというあたらしい経験が市民を変革する序章となり、志民で溢れ返る大会へと発展することで来場者に対する本来のおもてなしを実践できるのです。本年度は将来的な大会の姿を見据えながら着実に企画、運営を行います。

夏に開催される「イーハトーブフォーラム花火大会」は、宮沢賢治の世界観を表現し、地域愛を育む催しとして長きに渡り実施されてきました。多くの来場者で賑わい、花巻の夏を代表する大会として根付いています。また、本大会は宮沢賢治の世界観をテーマとしていることから、交流人口の増加に寄与する要素を備えています。本年度はこれまでの経験、ノウハウを基に安全な大会運営を行うと共に、行政や観光各所との連携を図り、花巻を代表する事業としての発信を行い、地域の活性化に寄与する事業としての歩みを進めていきます。

花巻の魅力を発信することが地方の創生に寄与し、内外を問わず多くの交流人口を生み出していきます。多くの皆様が花巻に訪れ、その魅力の広がりを見せることが、未来に向けた礎となり、「明るい豊かな社会の実現」に近づいていくのです。

会員開発について

まちづくりやひとづくりは、ビジョン設定だけではなく、実際に行動を起こすことが必要となります。行動はやらされるのではなく、自ら率先して行うことで高い効果を生みます。率先するということは、やみくもではなく自身の考えが備わることで成し遂げられるのです。我々が未来を担う社会人として必要となることは、自身、そして社会のためという考えを備えながら地域に貢献する行動を起こし、明るい未来の創造に繋げていくことです。

花巻青年会議所の2010年代運動指針には、「JAYCEE※2が『自立』した『志民』たらん」と述べられています。我々はまちづくりやひとづくりを自らの意思で行うJAYCEEであります。その反面、利益を追求する企業人として、経営者として自らの職業を抱える一社会人でもあります。この2つの対極とも捉えられる属性が、より高い次元で結び付き、社会に対する幅広い視野を備えることで、社会貢献が利益を生み、利益が社会貢献を生む、正に両輪となって作用し、それぞれの属性に相乗効果を生み出し、未来を担うリーダーとして大きく成長するのです。本年度は、地域の未来を担う一社会人として成長することを目標に会員の開発を行います。

各々の会員がJAYCEEとして成長を遂げ、企業人、一社会人として輝きを放ち、所属する組織の礎となることで「明るい豊かな社会の実現」に近づいていくのです。

会員の拡大について

青年会議所運動は、会員により構築され、様々な手法を用いて実施されます。運動の背景には市民の意識を変革し、明るい豊かな社会を実現するという理念があり、多くの市民がその志を備えることで成就に向けて近づいていくのです。

会員数の拡大は、盤石な組織基盤の構築、運動の発信といった組織全般において、非常に重要な要素です。会員が増えることで、対内的、対外的に安定した組織運営に繋がることから、一人でも多くの市民から賛同を得られるよう取り組んで行かなくてはなりません。そのためには、まず会員一人ひとりが青年会議所の運動は何より自分のためになるといった想いを自身の本髄に落とし込めてこそ、拡大運動は大きなうねりとなっていくのです。会員の増加が青年会議所運動を発信する機会を増やし、市民の意識変革に繋がり、より安定した組織基盤を備えていくのです。また、2008年度に30名の会員拡大に成功して以降、継続して拡大運動に取り組んだ結果、現段階で会員数100名が目前となっています。花巻市内において、100名を超える法人や団体はほとんどありません。100名の意見が集まり、まちのため、ひとのために取り組みを具現化できる組織だからこそ存在感は増し、より必要とされる組織となるのです。記念すべき60周年に会員数100名を成就するべく、現役会員の啓発を図り、新たな取り組みを加えながら戦略的に拡大運動に取り組んでいきます。会員拡大を進めることが花巻青年会議所の礎となるのです。

会員開発による啓発と拡大運動が一体となり、青年会議所の素晴らしさを多くの方に発信することが組織自体の拡大に繋がり、未来への礎となるでしょう。会員の増加による組織の拡大こそ「明るい豊かな社会の実現」に近づいていくのです。

会計と公益について

公益法人格を取得し5年が経過しました。法人格の維持に伴い、公益法人会計は、専門的な知識を備えながら遵守しなくてはならない重要事項であり、正に組織の基盤であります。加えて法改正等の変化に対応できる能力を備え、コンプライアンスに務めていかなくてはなりません。本年度は財政審査会議を設け、会計面、法令面の管理を励行します。そして組織の基盤を盤石にするべく、会計、公益両面について、会員に対する啓発を図っていきます。組織の基盤というべき会計と公益を多くの会員が理解してこそ、強固な基盤の構築に繋がり、未来へ向けた組織の礎となっていくのです。

総務と広報渉外について

総務は、一年の皮切りとなる賀詞交歓会や、予算、決算、人事等の重要案件を決議する総会、卒業生を盛大に送り出す卒業式に取り組むと共に、執行部を始め、他の委員会との連携を図りながら円滑な組織の運営をサポートします。その担いに加えて、本年度は60周年記念式典も60周年特別室と共に取り組みます。一年の皮切りとなる賀詞交歓会、60周年記念式典、卒業式では、これまで築いた歴史と伝統を守り、諸先輩方や関係各位への敬意を表すると共に、我々現役会員の努力をもって厳粛な式典を挙行します。また、総会は組織を司る機関であり、決議にはその議案について全会員の理解が必要とされ、その上で決議されていかなくてはなりません。改めて全会員に向けて総会の意義を啓発し、組織の決定事項を共有します。

広報は対外広報誌など様々な媒体を通じ、青年会議所運動の発信を行います。近年目まぐるしく発展を遂げるITは、機能性に優れた様々なソーシャルメディアが次々に誕生しています。本年度は全会員からの運動に係る情報収集に務めると共に、HP等の現状の発信基盤に加え新たなソーシャルメディア等の情報収集を進めながら、効果的な運動の発信を行います。
渉外は、岩手ブロック協議会、東北地区協議会、日本本会、JCIの各種大会の参加を推進します。また創立60周年に係るPRに参画し、全会員が参加できる環境を整えていきます。そして、各出向者が携わる事業を会員に発信し、一年を通じて多くの機会を会員に提供していきます。

総務の組織運営に係る担いと広報という対外発信、そして渉外における会員への機会の提供、これらが組織の運営において機能的に作用することで、本年度の運動を支えていきます。

岩手ブロック協議会会長及び日本JC稼ぐ地域推進委員会委員長が出向するにあたり

本年度は、2007年度の鎌倉公順先輩以来、10年ぶりに岩手ブロック協議会会長として、木村直樹君が出向します。また、同じく2007年度に小瀬川弘樹先輩が日本JC全国大会運営会議議長として出向して以来、日本JC稼ぐ地域推進委員会委員長として髙橋智彦君が出向します。記念すべき60周年に花を添える大変名誉な出向であり、LOM※3を挙げて全力で支援していきます。出向で得た経験は、随行者を含め、それぞれの成長に繋がると共に、必ずや花巻青年会議所の糧となり、未来に向けた礎となることでしょう。

結びに

価値創造の源泉を導く

私は創業明治18年の老舗企業の長男として生まれ、6代目社長として現在の社業に従事しています。受け継がれた歴史と伝統を守ることを使命とすると共に、更なる前進を図ることも使命であります。そして未来に向けた、揺るがない礎を築いていかなくてはなりません。そのために必要なことは、問題や課題に屈せず、古きを守り、新たな取り組みに常にチャレンジを続ける「為す」ことに他なりません。あたらしい経験は「為す」ことにより生み出され、価値の源泉となります。そこから生まれる多くの価値が広く知れ渡ることで、個々の成長や市民の意識を変革することに繋がり、光り輝く未来を創造することに繋がっていくのです。私が青年会議所に入会し早7年が経過しようとしています。先輩のお声かけ、OBでもある父の勧めがあり入会し、政治や経済といった現実に即した事業に触れ刺激を受けました。会員として経験した東日本大震災。日本中のJAYCEEが復興支援活動や各種大会で一つになる姿を目の当たりにしました。誰かのため、困った人を助けるといった、出来そうでなかなか出来ないことを実践している姿に、深く感動を覚えました。

「JC運動とは尊いものである」

卒業まであと数年を残す時期に先輩から頂いたこの言葉は、深く私の心に突き刺さりました。これまでのJC運動において、そしてJAYCEEとして、経験してきたすべてが「尊い」という言葉に包含されているものと感銘を受けました。青年会議所と企業人この両輪を抱え、あきらめずに行動し、チャレンジを続けることで、人としての成長に繋がり組織の発展、社会の発展に繋がっていくものと確信し、理事長の職に挑戦する決断をしました。先輩の背中を追い、周りの人間の成長を目の当たりにし、気づきを得ながら「為す」ことで、自身の成長に繋げることこそ、この組織の最大の魅力なのです。そしてそこに自身の固い意志と信念が備わることで、社会に対する大きな貢献へと昇華していくのです。大事なものを守ることに繋がっていくのです。

創立60周年の本年度、会員の一人ひとりが「為す」ことで、企業人としてJAYCEEとして成長を遂げ、花巻青年会議所に係る想いや志が会員一丸となり、市民の意識変革を生み出すことこそ「明るい豊かな社会の実現」に繋がる礎になるものと私は信じ、1年間運動を展開していきます。

為せよ 屈するなかれ

時重なりて未来への礎とならん

立てよ!同志よ!光り輝く未来のために!!

  • ※1 志民:社会のために自ら何が出来るかを考え、行動できる市民
  • ※2 JAYCEE:青年会議所に所属する個人
  • ※3 LOM(ロム):Local organization memberの頭文字をとったもので、各国の青年会議所に所属する各地青年会議所のこと