理事長対談 特別企画

行政国家公務員制度担当大臣・内閣府特命大臣 河野太郎 × JCI花巻理事長 藤田甲之助

理事長 藤田甲之助

藤田理事長

まずは河野大臣、本日は公務で大変お忙しい中にも関わらず、貴重なお時間を作って頂き、誠にありがとうございます。

昨年、JCI平塚とJCI花巻は友好JC締結を結ばせて頂きました。

この友好JC締結の大きな目的の1つに、大規模災害の広域的な連携と言うものがあります。

今後もJCI平塚様とは、交流や研鑽を重ねていき、お互い地域に強烈な印象を残せるように精進して参る所存です。

学生時代から国際経験が豊富な河野大臣には国際的な賢智、そして国家的な賢智と言うところで、本日は地域からこの国を盛り上げると言う分野において、様々な角度からご教授頂きたいと思います。

大臣 河野太郎

行政国家公務員制度担当大臣・内閣府特命大臣
河野 太郎(こうの たろう)

衆議院議員 〈神奈川県 第15区〉
生年月日 1963年1月10日 57歳
所属政党 自由民主党 当選回数8回
出身地 神奈川県平塚市
最終学歴米国 ジョージタウン大学

河野大臣

花巻には、何十年も前に修学旅行でお邪魔をしました。また、平塚市と花巻市の市同士の関係もあるものですから、私の地元の平塚市から大きなお神輿と一緒に花巻を訪問することもありました。青年会議所同士が友好関係を結ぶことでこの花巻と私の地元の関係をさらに強化し、何か大きな災害が起きたときにお互いに助けあえる様な自治体、組織にしてください。

また、青年会議所の皆様には、私の外務大臣時代に、このSDGsの取り組みをしっかりやって頂いて本当に感謝しております。

北海道から沖縄まで、全国をカバーする組織であるJCがSDGsに一丸となって取り組んで下さるというのは本当にありがたいことだと思っておりますし、今後も、SDGsを考えるときに、それぞれJCのメンバーの事業がそれぞれ自分のこととして取り組んでもらうことも、非常に大事だと思っております。どうぞ今後ともよろしくお願いします。

SDGsを取り組むことへの重要性

藤田理事長

今後さらにSDGsを推進していくにあたり花巻と言う地域において認知度が徐々には上がってきているんですがまだまだ低いのが現状です。SDGsを取り組むことへの重要性を河野大臣から一言いただければと思います。

河野大臣

私がまだ社会人になって数年という時に、米ソの冷戦が終わりました。ああこれから平和の果実というものを我々は享受することができると、その時思ったものです。

ところが、残念ながら冷戦構造はなくなりましたが、今度は地域同士、隣国同士が紛争をする。あるいは、1つの国の中で民族が対立をする。その様な状況が続いてしまいました。その結果、難民・避難民の数が増えていきました。

その中で、日本は「人間のための安全保障」と言う考え方を長きにわたり提示してきました。「人間のための安全保障」とは、国の安全保障だけではなく、人間一人ひとりの安全保障も、これからは考えていかなければいけないということです。

人間一人一人が尊厳を持ってきちんとした生活を送ることができる、子供が教育を受けられる、あるいは病気にかかった人が医療をきちんと受けられるということが大事だ、と、いうことを日本は主張してきたわけです。
今回のSDGsと言うのは、この「人間の安全保障」と言う考え方の上に建てられていると言っても過言ではありません。

SDGsと言うのは発展途上国だけではなく、先進国も含めたすべての国の中で貧困や差別などをその国の中でなくしていかなければならないということです。先進国はただ単に途上国を助けるだけではなく、先進国もそれぞれ自分の国の中のそういう問題に同じように取り組んでいかなければならないと言う考え方です。

日本も先進国として途上国を一生懸命支援し、それと同時に国内で困っている人にきちんと手を差し伸べ、一つひとつの問題を解決していく。誰かの為にやるのではなく、それぞれの企業や地域が自分のことだと考え、企業活動の中で取り組んでいく、あるいは自治体の活動の中で取り組んでいく、そういう中で、我々が直面しているいくつかの問題を解決していこう、というのがSDGsです。そういう意味で非常に重要な活動だと思っています。

ジェンダー平等の課題解決について

藤田理事長

ありがとうございます。
その中で日本と言う国はSDGsのゴール番号の中で教育は進んでいると言う評価はされておるようですけれども、ジェンダー平等の部分がどうしてどうしてもまだまだ達成度が低いと捉えられている現状があります。このことについての課題解決に様々な方法があるかと思いますが、河野大臣から一言頂ければと思います。

河野大臣

男女共同参画と言うことが謳われて、ずいぶん時間が経ちましたけれども、なかなか男女の格差と言うのはなくなった、あるいは小さくなったとは言えない状況にあるだろうと思います。
国会議員の中に占める女性の割合、あるいは地方政治の中で女性議員が占める割合というのも非常に小さく、ほかにも一部上場企業の役員の中で、女性が占める割合も欧米と比べてもまだまだ小さいままです。そういう中でやはり一人ひとりの女性が目指すものを作るというのは大事だと思います。

例えば私が防衛大臣をやっておりますけれども(対談当時)、自衛隊の戦闘機のパイロットに女性パイロットが誕生しています。2人目、3人目も訓練が終わろうとしておりましてますから、近いうちに2人目、3人目の女性戦闘機パイロットが誕生します。

イージス艦は女性の艦長がもう出ていますし、パラシュートで降下して戦う空挺部隊にも女性隊員が誕生しました。テロリストと戦う特殊作戦部の中にも実は女性隊員がいます。今残っているのは潜水艦だけですけれども、近いうちに女性の潜水艦乗りが6人誕生します。そうやってそれぞれの分野で活躍している女性がいるというのを見せられれば、後から私もやってみたいと言う女性が出てくると思います。

様々な分野で女性が活躍し、また女性がリーダーシップを取る。そういう現場を次の世代の女性陣に見てもらい、自分にもその様な可能性があるのだと言うことを感じてもらいたい。今後は様々な場面で女性がリーダーになり、女性が重要なポジションに入るようにしていかなければならないのだと思います。

藤田理事長

ありがとうございます。我々もメンバー94名中5名が女性です。しっかり女性が活躍できる、活動できる環境を作り上げていきたいと思います。

地方経済としてSDGsを取り組むことによる効果について

藤田理事長

次は、地方のお話をさせて頂きます。少子高齢化、人口減少、自然減、社会減、生産年齢人口の減少と様々な問題が山積です。SDGsの必要性について取り組むことで、地方としてまた地方経済としてSDGsを取り組むことによって、どのような効果が考えられるか教えて頂きたいと思います。

河野大臣

地方の問題を考えるとき地方から若い人が流失をする、特に高校を卒業して大学へ行く時に地方から東京を中心とした首都圏の大学に人口が流出をする傾向を取り上げなければならないと思います。そのためにも地域でいかに若い人がクリエイティブに働く場所を提供することができるかと言うのはこれから非常に重要になってくると思います。

今までのように大きな企業でものづくりをするという時代からソフトウェアあるいはオンラインで様々な事ができるようになりました。あるいは、コンサルティングという業務も発達しています。コロナの中ではテレワークというのができるようになってきました。

その様な中で、いかに魅力的な雇用の場を最先端の技術を使って提供することができるかというのが、今後の地域の鍵なのだと思います。

地域がSDGsに取り組む中で非常にクリエイティブな仕事を地域で提供し、一度流出してしまった若い人口をどれだけ地域に戻す事ができるかということをしっかり考えて頂きたいと思います。

藤田理事長

若者の雇用も、目的や時間ややりがいを求め、可能性のある若い人もどんどん増えてきいてると私も思っております。河野大臣もおっしゃったように経済として考えると働き方改革だけではなく、働く環境の改革も並行して必要なのだと気付かせて頂きました。

河野大臣

青年会議所は企業人の集まりですから、例えば花巻のJCのメンバーが首都圏に流出した優秀な人材をいかに引っ張れるか。それは、その企業が次に発展をするためにも必要な事ですし、そうしたメンバーの企業が発展をするということがその地域の活性化につながっていきます。そしてそれがSDGsのゴールにもつながってくる、ということです。一人ひとりのメンバーが、自分が一企業として何ができるのだろうかと考えるのはただ単に地域を助けるのではなく、自分の企業を発展させるためにもちろん必要な事です。一人ひとりのメンバーが、自分に何ができるのかということを考えてもらう、ということがまさにSDGsの取り組みだと思います。

経済の活力と安全との結びつきについて

藤田理事長

今後、新たな国と言うのと地方の姿を描く上で、日本経済や地域経済の活力と、国の安全地域の安全その結びつきにおいて、お考えをお聞かせ頂きたいと思います。よろしくお願いします。

河野大臣

今、日本は人口が減少しつつあります。しかも、日本人の社会が高齢化しています。日本市場だけを見ていても経済を発展させるのは難しい時代に来ているだろうと思います。例えば、日本人の食べる米の量と言うのは年々少子化で減ってきています。日本にある水田の中で、本当に米作りに必要な水田の量はどんどん小さくなっている。結論として、日本以外にもマーケットを求めていかなければ、日本の農業は生きていけなくなるのです。その様な分野が様々な所にあります。

日本のそれぞれの地域にとって大事なのは、東京を見るのではなく、それぞれの地域が今世界の中で発展している様々な国と、どの様に直接繋がっていくかということを考えていくことだと思います。東京を見ている限り、東京の後を走ることになりますが、世界の中で活力ある経済と直接、組み、様々な事をやることになれば、気づいたらある分野では、東京が自分たちの後ろを走っているということは可能になると思うのです。JCも日本全国にある組織であると同時に、JCIを通じて全世界に繋がっています。地域が世界と直接繋がり、そこで様々な活動をやっていく、そこで様々なビジネスが生まれ、多くの地域同士の繋がりが生まれる。それをぜひ大事にして頂きたいと思います。東京を相手にするのではなく、世界を相手にする。それが私は何よりも日本の地域に大事なのではないかと思います。

花巻市民にむけてひとこと

藤田理事長

今日(8月24日)現在花巻市ではまだ出ていないのですが、岩手県でも新型コロナウイルス感染症の陽性患者が12件出ております。1度、非常事態宣言が解除されて収束の兆しが見えたところで第二波が始まり、閉塞感漂う地域情勢となってしまいました。花巻市民へ向けて河野大臣から一言頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

河野大臣

新型コロナウイルス感染症が何故この岩手で感染者が出ないのかずっと不思議に思っていました。今でも、非常にうまくマネジメントしているのだろうと思います。私は学校を出てから、富士ゼロックスと言う会社に一時勤めておりましたが、富士ゼロックスを辞めて部品会社に移りました。主力工場は花泉にありましたので、岩手には度々お伺いをして平泉を始めとする歴史、様々な食べ物、風光明媚な環境をずっと楽しみました。

今は新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか交流ができないわけですが、この様な時期だからこそ腰を据え、収束後どうするかということを考え、イメージをする、高く飛ぶためには、まず腰と膝を曲げ、力を貯めて高く飛ぶわけですから。

今はギュッと力を貯めている時期だと思って、今でなければできないことを一つひとつやってもらいたいと思います。

藤田理事長

花巻市民への温かいメッセージありがとうございました。