理事長所信2024

理事長所信2024


スローガン


基本理念

ありたい自分を描き続けられる「誇りあるまち花巻の創造」


基本方針


一、会員開発によって得られる多くの成長

一、次代を担う青少年の心の育成

一、地域資源を活かした持続可能なまちづくり

一、地域の活力を支える人づくり

一、世代や属性を超えて支え合う地域共生社会の実現

一、地域に対する愛情から誇りが育まれる市民主体のまちづくり

一、共感を広げ信頼を高めるブランドの構築

一、共感の輪を広げる会員拡大運動

■はじめに

 

あなたは、あなたの大切な人や地域のために何が出来るでしょう。

私は家族と過ごす時間を何より大切にしています。
我が家では、仕事を頑張って旅費を貯めて、旅行に行く事が恒例行事となっています。
様々な場所に行くことやイベントに参加する家族との楽しいひと時は、何物にも代えがたい大切な時間です。

それでも旅行からの帰路、見慣れたまちの景色が増えてくると、帰ってきた寂しさを感じながらも自分のまちに帰ってきた安心感を覚えます。このまちに帰ってきて、「やっぱり家が一番だよね。」と語り合うのが我が家の日常です。

何気ない家族の笑顔や共に過ごすかけがえのない時間を守るため、この住み暮らす地域に貢献していきたいと思えるのです。私は、このまちに住み暮らす人が明るい未来を描き、明日に希望を持ち続けられるまちにしたいと考えています。

誰もがより幸せに暮らせるまちにしていくために、私たちには何が出来るでしょう。
これまでのまちの歴史や文化を大切にし、将来に向かって共に歩む軌跡は、これからのまちづくりを担う人々の羅針盤となります。

きっとあなたの日常にも、なりたい自分や叶えたい未来というのは、常にあるのではないでしょうか。あなたの大切な人も住み暮らす、このまちをより良くするための一歩を共に踏み出していきましょう。

 

《会員開発によって得られる多くの成長》

 

私は、会員がJCで学び得た経験を活かし率先して地域に継続的に変化をもたらす人財に成長してほしいと考えます。
近年、多くの会員を迎え活動している私たちは、地域をより良くするために様々な機会を通じて地域の課題解決に主体的に取り組める人財へと成長する必要があります。

花巻青年会議所は職種も違う、年齢も違う様々な会員がいる中で「誇りあるまち花巻の創造」という一つの目標に向かって日々活動しています。
全ての会員が主体性を持ってまちの課題解決のための活動を行うために、JC活動を通して何を成し遂げたいのか、今一度自身の内面を見つめ、湧き上がる想いを行動へとつなげていくことが重要です。

主体的な活動を進める中で仲間と議論し、時にぶつかることも、かけがえのない財産であると私は考えます。
会員同士が切磋琢磨し、互いに高め合うことは結果的に、周りの人たちや地域にも、より良い変化をもたらす人財へと成長させてくれます。
また、JCには全国各地の青年会議所をはじめとする様々なネットワークがあります。それらで得られる新しい視点や知識、仲間との出会いは、会員一人ひとりの貴重な経験となります。より多くの成長の機会を通して、会員の可能性を大きく広げていきます。

そして、JCには、サマーコンファレンス、東北青年フォーラム、岩手ブロック大会等各種大会において、今、世の中に必要とされている最先端の情報に触れる多くの機会が用意されています。そこで得られる経験や情報は、会員を青年経済人として大きく成長させてくれます。
内外の知見から多様な価値観を理解し、地域を牽引するリーダーとしての自身の在り方を会員一人ひとりが見つめ直し、自身の可能性を最大限に引き出すことで、地域により良い変化をもたらし続ける人財に成長してまいります。

 

《次代を担う青少年の心の育成》

 

私は、次代を担う子供たちには、自分自身で道を切り拓くことの出来る大人になってほしいと考えます。

現代は何が起こるかが分からない、先の見通しが立たないというVUCAの時代と呼ばれています。時代の流れに合わせ主体性をもって柔軟に考え行動出来る力を養う事が重要です。

花巻市においても子供たちが主体的に学習に取り組めるよう、教師主導の学習から子供たち主体の学習に力を入れています。
また、次代を担う子供たちが社会でより良く生きていくためには、子供の非認知能力の発達が重要です。非認知能力とは、豊かな情操や道徳心、他者への思いやり、自己肯定感、人間関係を築く力、社会性といった個人の内面に関する能力のことです。

家庭と地域が連携して子供たちの非認知能力の向上に取り組むことで、子供たちはいきいきと自分らしさを発揮し、将来を生き抜いていくことが出来るのです。
あらゆる価値観を尊重し、多様な人々と連携をしながら社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓ける人財となる、次代を担う青少年の育成に貢献してまいります。

※VUCA:Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・ComplexityComplexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態を意味する

 

《地域資源を活かした持続可能なまちづくり》

 

私は、自分の住み暮らすまちをより豊かで活力に満ちたまちにしたいと考えます。
ポストコロナの時代において、持続可能な地域経済を実現するためには、ステークホルダーや地域との連携が不可欠であり、花巻のポテンシャルを私たちが意識し、花巻の魅力ある地域資源を最大限活用した地域独自の武器を作ることが必要です。

地域資源とは、その地域特有のものであり、歴史や地域性、そして地域のオリジナリティを表現したものです。
それは必ずしも有名である必要はありません。その土地に根付いた文化や歴史、伝統的な技術、自然環境、観光資源など多様な要素から成り立っています。

花巻市は豊かな自然環境が広がるとともに、多くの魅力ある観光地を有しています。また、県内唯一の空港や高速道路などの交通インフラが整っており、このすばらしい資源は多くのポテンシャルを秘めています。

今ある資源と真剣に向き合い、そこに新たな価値を見出すことで独自の武器が生まれます。また、それは地域が一体となって取り組まなければ成し遂げられることではありません。行政や各種団体、企業といった地域のステークホルダーが個別に活動するのではなく、それぞれが連携し、互いの特色や強みを掛け合わせてこそ新たな価値を生み出せるのです。

持続可能なまちづくりに向けて地域ならではの特色を活かし、多くのステークホルダーとの協働による、相乗効果で地域経済の活性化を推進してまいります。

 

《地域の活力を支える人づくり》

 

私は、地域経済の活性化を担う人財の成長を促したいと考えます。

なぜなら、地域経済の活性化は、地域の維持発展に直結しており、人財の成長は地域経済を支える重要な要素と考えているからです。
様々な課題や問題が複雑化する中で、まちづくりや企業に求められる人財も変わりつつあります。今、求められているのは、主体性を持って課題解決をしながら活動が出来る経営的な目線の素養です。

経営的な目線を持った人財とは、様々な事柄に課題意識を持ち、その課題のために行動していける人財のことです。
そのような人財を育てるためには、異なる意見や人間性を理解しながら合意形成が出来るマネジメント力や志を持って、課題を見つけ、向き合い、解決する課題解決力の育成が重要です。このような能力を持った人財が育つことは、企業の発展だけでなく、まちの発展においても重要です。

なぜなら、私たち一人ひとりがまちづくりを担っている人財だからです。
経営的な目線を持った人財が育つことで、相互に関わり合いながら新しい価値を生み出していく、持続可能な地域経済の発展に貢献してまいります。

 

《世代や属性を超えて支え合う地域共生社会の実現》

 

私は、自分が住み暮らしているこのまちを、人や地域とのつながりが感じられる地域にしたいと考えます。

なぜなら、人は一人では生きていけないと考えているからです。家族、友達、会社の仲間、同じ地域に暮らす人など、日々の暮らしの中で関わる人は様々です。つながることによる煩わしさもありますが、それ以上につながりからもたらされる、多くの価値があると考えています。

花巻市においても近年、少子高齢化や核家族化の進行、ライフスタイルの多様化などにより、家族や地域のあり方も時代とともに変化しています。
その結果、生活を支えていた地域との関係性が薄れてきています。

今だからこそ、地域のネットワークを活かし、住み暮らす人々の生活に寄り添った、人と人が世代や属性を超えて支え合うまちの実現を目指すことが重要だと考えます。

より良い暮らしにしていきたいとする一人ひとりの行動により、支え合えるつながりを持つことで、日常の助け合いや災害時における声掛け等、助け合いの精神を持った人が集まる暮らしやすい地域になります。

多種多様な人々が住み暮らすこのまちが、人や地域とのつながりを感じられる地域となるよう貢献してまいります。

 

《地域に対する愛情から誇りが育まれる市民主体のまちづくり》

 

私は、地域文化を育み、発展させていく主役は市民であると考えます。

社会の成熟化が進む中で、人々の意識は物質的なモノの豊かさよりも、こころの豊かさを重視する考え方に変化しています。誰もがより幸せに暮らせるまちにしていくためには、多様な人財の出会いや交流による地域の魅力と資源を活かしたまちづくりが必要となります。

こうしたまちづくりを実現するためには、関わる組織や人々がまちの魅力を楽しむことから、市民の心に共感が伝播されていくことが重要です。

文化には楽しさや感動、精神的な安らぎや生きる喜びを感じ、人生を豊かにする力があります。また、郷土の愛着や誇りを培いコミュニティを形成することにもつながります。地域文化を育むことは、人と人とを結び付け、相互に理解し、尊重しあえる地域をつくるきっかけとなります。

それには、一人ひとりの積極的なまちづくりへの参画が不可欠です。また、市民、企業、行政が相互に連携、協力して、それぞれが役割を果たしていくことが重要です。
多様な人財がこのまちの文化を誇りに思い、積極的に楽しみながら文化を育む、多様な人財の主体的な行動から魅力ある花巻を創造します。

 

《共感を広げ信頼を高めるブランドの構築》

 

私は、花巻青年会議所が運動を推進する上で、より多くの市民に共感を得られる情報の発信が必要だと考えます。

私たちが地域で継続的に活動していくためには、多様なステークホルダーとの相互理解と信頼関係の構築が不可欠です。ステークホルダーとの信頼関係を構築する上で軸となるのがビジョンの共有です。

2023年度に策定した中期ビジョンは、多様なステークホルダーと共にまちのありたい姿を描き、地域の課題解決に向けJC 運動に継続性を持たせることで、持続的なインパクトを生み出すことを可能にしました。

中期ビジョンの実現という一貫したテーマのもとで私たちの活動を発信していくことで、地域の方々の花巻青年会議所に対する理解が深まり、共感へとつながっていくのです。

花巻青年会議所が地域で継続的な運動を展開していくためには、まずは組織の方向性や運動の必要性を会員一人ひとりが理解し、活動に意欲的に取り組む風土を醸成するインナーブランディングが必要です。会員一人ひとりが組織の価値に共感できてこそ、発信する情報にも説得力が生まれ、ステークホルダーとのつながりを強固に出来るのです。

広報にはただ情報を伝えるだけではなく、人の意識に働きかけることが重要であり、組織の価値の最大化と、地域と私たちとの信頼関係を構築する役割があります。
日々の運動の発信から、あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き上げ、地域の人々と共に目指すビジョンに向かって進むことが出来る、共感の輪を広げ信頼を高める広報活動を展開してまいります。

 

《共感の輪を広げる会員拡大運動》

 

私は、一人でも多くの青年に、JC運動を通した成長の可能性を感じてほしいと考えます。

花巻青年会議所は、地域のリーダーとして活躍出来る発展と成長の機会を提供し続ける組織として運動を行ってきました。それはひとえに地域のより良い未来に向かって弛まぬ努力をし続けた先輩諸兄姉の想いによって築かれてきたものに他なりません。

明るい豊かな社会の実現に向け、まちづくりを真剣に考え地域に密着した運動を展開し続ける私たちの想いを、地域のリーダーと成り得る一人でも多くの青年に伝えることが重要です。

それには、JC活動で得た知見を自身の言葉で伝え、相手との対話から共感の輪を広げることが大切です。20歳から40歳までの青年期における人生を生き抜く力を身に付ける大切な時期において、貴重な経験や機会を得ることが出来るJCという学び舎で学び、会員自身が組織の理念に対し向き合い、共に地域をより良くする活動をしたいと考えています。

拡大運動を行ううえで常に根底に流れている精神は会員のJCに対する情熱です。自身の経験に基づいた言葉で伝え、共感を得て多くの仲間と共に成長出来る組織へと進化します。

 

■おわりに

 

私は、父の代から始めた製造業を二代目として受け継ぎ、社員とともに日々の業務に奮闘していた最中の2019年1月に入会致しました。それまでの私は、大手資本との受注契約に基づいた仕事という事もあり、直接的な地域とのかかわり合いが薄く「自社がやっていければ良い」という、狭い視野でしか物事を考えておりませんでした。仕事以外においても一緒で、恥ずかしながら、自分の住んでいるまちのことに関心を持てていませんでした。

どうせ誰かがやってくれるだろうと見て見ぬふり。

そんな私に、本当に多くの成長する機会をJCは与え続けてくれました。
入会のきっかけは今の自分より成長したいという漠然とした思いでしたが、入会してからは、花巻の同世代にはこんなにもすごい人たちがいるのかと尊敬の心を常に持っていました。今もそれは変わりません。
才覚溢れる人財が集うこの組織は、自分をさらけ出し、それを受け止めてくれる懐の深い仲間の集う組織であります。だからこそ、やれない自分より、やらない自分を恥ずかしく思うようになりました。

厳しさや時に意見の食い違いもありましたが、腹を割って話すことで分かるその人の想い、本気を知り、心を分かち合うことが出来ました。

人が成長するのはどんな時なのでしょうか。

限りある時間の中で充実した人生を歩んでいくために、多様な価値観に触れ、自分自身の内面にも目を向けることで、無数の成長の可能性を開発・発揮していくことが出来るのです。

自己の成長を信じ、希望をもたらす変革の起点として地域とそこに住み暮らす私たちの未来を共に描き、明日への一歩を踏み出すことで「明るい豊かな社会の実現」に向けて一年間運動を展開してまいります。

一般社団法人 花巻青年会議所
第68代理事長 高橋 和也

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